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[ɚ]([ə:r]) 半開-中唇-中舌-弱長母音

母音としての[r]の音です。 [ɚ]では、発声している間に、舌の形と位置が動きます、この舌の動作が最も大切です。

上下の口の開きは、半開で、ニュートラルです。 口唇は横に延ばしません、ニュートラルあるいは少しだけ丸めますです。 動画で確認すると、口唇の形は、日本語の「ウ」ほどではないが「エ」よりは丸める感じに見えます。 発声している間に、舌が動き形も変わります。 最初の舌の形と位置は、[ə]と同じく、ニュートラルで、歯の裏につけません。 発声の途中で、舌の中央部は少し凹ませ、舌の左右両側は相対的に上になります。 つまり、舌の形は、園芸用のシャベルの先のすくう部分のような形にします。 そのまま形の舌の全体を上に持ち上げます。 すると、舌の左右両側が上の両側の奥歯に軽く付きますから、ここで上への動きは止めます。 発声音は、舌と上顎にできた細めの筒を通して出ています。 発声の最後で、舌先を持ち上げて、上前歯の裏の歯茎に近づけます。 つまり、音が飛び出る部分を狭くして、舌と上顎と上奥歯の狭い空間で響きを出します。 舌先の動きが止まってからもほんのわずかだけ余分に長く声を出すとうまく聞こえるはずです。 ただし、発声中には、舌先がどこにも決して触ってはいけません。 音の強さは、[ə]よりは少しだけ強めですがそれでも弱めです。 せいぜい声を強くしても普通の強さまでです。 音の長さは長めです。その理由は、舌を動かしている間だけ時間がかかるからです。 単語によっては、さらに長く伸ばすことがあります。 舌の動きにより、音はこもった響きになります。

(米国の東部の発音であるJenniferESLでは、 舌先を後ろへ巻き上げる巻舌をしません。 「舌を強く巻いて喉の奥へ下げた音が[r]である」という説もあるのですが、 結論は、国や州、学歴や職業で特徴があるということです。 このサイトでは、JenniferESLの発音を基準に説明します。 )

日本語の「エ」の口の形で、少し舌を喉の奥へ引いて、日本語の「ア」の音で喉を曖昧に弱く短く鳴らしながら、 英語の子音の[r]の舌の動作をします。 この動作は、舌と上顎と上の奥歯で筒を作り、舌先は、上前歯の裏の歯茎に近づけ、筒先を絞ります。 この間ずっと音を出し続けます。 日本人には、弱く曖昧でこもった長い音の「アーァル」に聞こえますが、 日本語の「ル」とは全く別の不思議な「ル」に聞こえます。

子音[r]でも説明しますが、日本人が、この[r]の舌の形と音を練習する別の近道は、 [z]の音(ほぼ日本語の「ズ」の音)を出し続けながら、 舌先をどこにも触らずに少しずつ上に持ち上げて、 同時に微妙に歯茎との距離も離していきます。 するといつの間にか、「ズー」が不思議な「ルー」になると思います。 この音が[r]の音です。 [ɚ]では、舌の形が[ə]から始まり[r]で終わります。

(米国の東部の発音のJenniferESL では、直接音を表す[ɚ]と書きます。 日本の英和辞書では、米国英語と英国英語両方を同時に表したいので、[ər]や[ə:r]と書いてあることがあります。 このため、このページのタイトルには、[ɚ] ([ə:r])と併記してあります。 [ɚ]は、"hooked schwa"といい、「フック付きのシュワー」の意味で、「シュワー」が曖昧母音[ə]の意味で、 「フック」の部分が英語の子音の[r]の舌の動作を意味します。)

強調時や米国と英国で読み方が変わる重要単語。

他の母音の直後に母音[ɚ]が連続する場合があるので、以下に例を示します。

動画JenniferESL Pronunciation of English Vowel Sounds 4 - Central Vowels - Part 1 (with captions)
動画JenniferESL Pronunciation of English Vowel Sounds 4 - Central Vowels - Part 2 (with captions)