四つの智慧つまり四つの真理です。
(1) | 苦諦 | 人は苦しみを感じることがある |
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(2) | 集諦 | 苦しみの原因は煩悩=悪心である |
(3) | 滅諦 | 煩悩から離れれば、苦しみが消滅する |
(4) | 道諦 | 煩悩から離れる方法は八正道を行うこと |
私の解釈
お釈迦様が出家した動機として四門出遊の故事が伝えられています。この故事では、お釈迦様が、世の中の人、家族そして自分が苦しみに悩まされていることについて解決したいと願われた、と語られています。お釈迦様にとって、苦しみの起きる原因と苦しみを消滅する方法を見出すことが、出家の第一の目標でした。この目的は、四諦の発見で達成されたわけです。この史実を仏教では、お釈迦様が成道して仏陀となったと伝えています。
煩悩とは、十悪に出てきた三つの悪心、貪る、怒る、邪見のことです。
つまり四諦とは、人間の苦しみの原因の特定と、それを取り除く解決策の提示です。
八正道を行い、苦しみを取り除いた後には、喜び・楽しみ・感謝、同情・慰めに溢れ、常に心を落ち着かせて穏やかな心持ちでいることができます。これこそが人生を心の底から楽しむ方法です。
四諦は、わずか四項目しかないため、その理屈の流れはすんなりと納得できますが、他の宗教との違いが際立つ視点でもあります。違いについてあれこれ言う人がいても、仏陀の教えに従い、四諦について正邪の言い争いをしてはいけません。
仏陀の物語では、仏陀が得た悟りについて世の中の人に語り伝えるべきかどうかを考えた、とあります。四諦は当時の考え方と異なるため、仏陀は、人々が四諦を実行することがが難しい、と感じたのでしょうか。仏陀の物語には、梵天という古代インドのバラモン教(今のヒンドゥー教につながる)の神から人々に悟りを説くよう強く何度も頼まれたという梵天勧請の伝説があります。私の解釈は、仏陀自身が悟りを継続する方法は、悟りを説くしか道が無いというものです。四無量心で説明しましたように、悟りの状態を続けるためには、八正道を実施し続けることが必要です。仏陀が、一人でも多くの人の幸福のためになる職業を選ぶなら、悟りを説く教祖の道しかありません。八正道を実施することが、悟りの状態、四無量心を継続する唯一の道だったのです。
四諦や八正道をただの知識として知るだけでは、悟りは一瞬で終わるということです。悟りの状態を続けるには、仏陀がされたように、八正道を実践し続ける必要があります。