第三部 第十六章 二枚舌の止め方

二人の人にそれぞれに反対のことを言ってしまう二枚舌を使うと、後でその二人の人が会って、あなたから聞いた話を互いにすると、話が異なることが判り、どちらもあなたのことを信用しなくなります。たとえ片方の一人に真実を説明していても、その人からの信頼も失ってしまいます。さらにその二人が、あなたは信用できない人である、と他の人に話すこともあります。そうすればあなたの評判はどんどん落ちていきます。

人が二枚舌をつい使ってしまうときは、立場の強い相手から事実と異なる嘘や悪口について同意を求められるときです。このようなときは、嘘をつかれたときの対応方法や悪口が聞こえてきたときの対応方法を思い出してください。

「そのことについては申せません」と優しい言葉で正直に自分の気持ちと立場を言ってください。それでも追求して来る相手には、「これ以上追求しないでください」と優しくお願いします。

他人の悪口が聞こえてきたら、聞こえないフリをして構いません。興味が無い、聞きたくないという無関心のポーズをしてください。耳をふさぐポーズも良いでしょう。手のひらを立てて相手に見せるポーズも良いでしょう。

意見の異なる二人のどちらにも取り入ろうとして、二枚舌を使いたくなる人がいます。このようなときは、少なくとも片方には嘘をつくことになります。嘘はついてはいけません。ですから両方の人に真実を告げる必要があります。

ところで、一人一人に別の話し方をしても、二枚舌とならないときがあります。

仮に、あなたが、自動車のセールスマンとしてたくさんのお客様一人一人にある自動車をお勧めるとします。このとき、どのお客様にも同じ話し方をされることはありませんね。お客様の性別、年齢、性格、趣味や生活スタイルを良く考えて、その自動車の用途について提案を作り、お一人お一人に自動車の良さと便利さを異なる内容で説明されると思います。このように、もともと一つの真理を、この例では自動車です、相手の求めに応じて異なる内容で説明することは良いことです。このような方法は二枚舌ではありません。

もし二枚舌を使った人に気が付いても、その人のことを非難したり、その人の陰口を言ってはいけません。その人が二度目にあなたに合いに来るときは、二枚舌がばれないか不安に感じています。もし素直に二枚舌を使ったことを謝って来られれば、優しく許してあげましょう。謝罪が無いときは、別の人からこういうことを聞いたことがあるよ、と聞いた事と反対の内容を振って見てから、最近は他の意見も出てきたのかなと、質問してみることも構いません。この質問の仕方であれば、相手に以前の意見を引っ込めるチャンスを与えることができます。それで様子を見てください。改心するようであれば今後も付き合えばよく、そうでなければ縁遠くすればよいだけです。

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(更新日: 2017年03月23日)
幸せ研究室