第三部 第十三章 失敗と嘘

嘘をつく原因は多くの場合、悪事がばれることを恐れているときです。ですから、まず悪い事をせず、八正道に励んで善い事だけをしてください。それでも時に人は失敗をします。そして弱い心では失敗をすると隠したくなり嘘をつきます。

あなたが仕事で失敗したときは、それを上司に報告しなければいけません。報告は、優しい言葉で正直にしてください。できるだけ速やかに失敗を報告することが、善を成すことです。仮に報告しないと、失敗が次の失敗を招き、すぐ会社や組織の信用を失い、社会に大きな損害をもたらします。

あなたが失敗の報告を受ける立場のリーダーであれば、失敗について社会的に正しい方法で対策する必要が出てきます。担当者をいたずらに責めても失敗が成功に変わることはありません。それより報告した部下の勇気を褒めることが大切です。そしてあなたも勇気を奮って失敗を公表し回復してください。最も大切なことは、取り急ぎ失敗を世間に優しい言葉で正直に説明し、対策をこれから取りますと説明することです。それから、失敗を回復しなけれはいけません。

物事で失敗を避けるには、第一に、その物事そのものが、一人でも多くの人が幸福になる善であることが必要です。悪事は必ず失敗します。第二に、あらかじめ物事の結果を何通りも十分に予想しておくことです。それから、予想される失敗についてできるだけ正直に正確に検討して回復や補償が可能であることを確認しておく必要があります。第三に、物事を実施するときは、八正道に示されたやり方で楽しく行うことが大切です。

あなたのすることが、善い事だけであれば、隠さなければいけないことは、さほど多くありません、人々や会社のプライバシーぐらいです。プライバシーについては、法律で守られていますから、相手の追求を毅然と断れば良いだけです。そして、善い事はできるだけ公開した方が喜ばれます。優しい言葉で正直に善い事をお伝えください。

嘘をつくぐらいなら、そのことについては申せません、と優しい言葉で正直に気持ちと立場を言ってください。それでも追求して来る相手には、これ以上追求しないでください、と優しくお願いするしかありません。

仮に嘘をついてしまうと、嘘の重みに耐えていかなければならず、苦しみが待ち受けています。嘘が次の嘘を招き、嘘に嘘の上塗りをすることになります。ますます苦しみが増します。嘘を付いたことを白状すると、信用を失い、また苦しみます。嘘はつかないことが大切ですが、もし嘘をついたら速やかに過ちを訂正してください。早ければ早いほど苦しみが減ります。

時には相手から嘘をつかれることがあります。必ずしもあなたを陥れようとしているわけではなく、物事を詳しく知らないだけかもしれません。嘘をつかれたときは、相手の間違いをあからさまに指摘ないことが賢い対応です。相手が目上の人なら、その話は勉強中ですから参考にさせていただきます、と告げることもよろしいと思います。わたしは別の意見も聞いたことがあります、という話し方も便利です。

相手から約束を反故にされることもあります。相手の状況が約束したときから大きく変化していることが考えられます。もしかすると相手側のただの勘違いかもしれません。このときは相手の立場と状況を良く聞き、優しい言葉で正直にじっくりと交渉して妥協点を見つけることをお勧めします。

残念ですが、世の中には、平気で嘘をつく人がいます。悪いことをする人、泥棒、犯罪者は、罪を認めると罰を受けるため、嘘の言い逃れをします。また、金品を貢がせて奪うためにわざと嘘をついて騙して来る詐欺師がいます。詐欺師は最初は善人の振りをしてあなたに接近してきます。最初は、善人か詐欺師の区別がつきません。知らない他人をいきなり信用することは危険なことです。詐欺師は、付き合いが進むと徐々に悪人の本性が出てきます。少しでも被害が出てきたら、その悪人とはもう関わらないことが最良の行動です。もちろん、犯罪被害にあっていれば警察へ連絡してください。

ページ先頭へ

(更新日: 2017年03月23日)
幸せ研究室