第三部 第二十二章 老いと死に向き合う

人間はやがて老いて死にます。大抵の老いは、病気を伴い、最後は死に至ります。私が自分の親の死や親族の死を看取ったり、親や年長者から聞くところでは死を受け入れがたくしているものは、病に伴う苦痛と人生で遣り残した事のようです。安らかに死ぬとは、苦痛を感じずに死ぬということと理解しています。

死を迎えるに肉体の苦痛を避けるため、医者に鎮痛薬を処方してもらうことは良いことかと思います。

老境に入り自分の寿命を察知できる分別のある人は、自分の生活を綺麗にされます。残される人たちへメッセージや財産の整理を始めます。それだけでなく生活している住まいの隅々が綺麗になります。また言葉つき振る舞いも綺麗になります。自ずと八正道に励む形になります。そうすることで、いずれ来る死の病にも、心を落ち着かせて穏やかな心持ちで対処できるからです。

老いの病はさまざまです、痴呆となり言葉と判断力を失うこともあります。ですから、そうなる前に自分の生活を綺麗にしておきたいものです。

死は、自分のこの世の座席を後進の若者に譲る時です。最後の善行として無財七施の牀座施を行うときです。死を定めと受け取り、年老いた最後のときに落ち着いた静かな死を迎えられるよう、八正道に励み、人生の遣り残し事を無くすことが良さそうです。合掌。

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(更新日: 2017年03月23日)
幸せ研究室